LO
A5/40P/400円
郁月ベースのロリつっこ合同誌
ロリつっこ(+春組)を秋組が保育したりする漫画(仲村)と
ロリつっことメガネがなんやかやする小説(実月)でお送りする
全力フリーダムなパロディ本です。
つまるところこれのさらに悪ノリした版。
本文サンプルは続きから。
☆仲村(漫画)
☆実月(小説)
※これのその後話です。
※本文には一部、FDのメガネアフターねたが含まれています(下記サンプル内にはありません)。
ネタバレを気にされる方はご注意ください。
「……弁解を聞こうか」
「はい……」
頭を抑えたくなる衝動を努力して抑えながら、申し訳なさそうに俯く小学生くらいの少女を見下ろした。
***
「なるほどね」
わざわざ隠すのも馬鹿らしく思えて、遠慮無しに大きいため息を一つ。すると、ごめんなさい、と少女はさらにしょげてしまった。
少女は自分の彼女であり、名前を夜久月子という。
どう見ても小学生くらいの姿をしているが、実際は既に成人済みの大学生だ。
何かおかしなことを言っているようだけれど、事実なのだから仕方がない。
今、彼女の身体は小さくなってしまっているのだ。
こんなことになった原因は、発明好きな彼女の後輩、天羽君が作った謎の飴だ。
実を言うと以前にも同じ飴が原因で、月子は小さくなってしまったことがある。
その時は幼稚園児くらいになっていたのだけれど、今回は小学生程度で縮むのが止まったようだった。
そんな傍迷惑な飴を再び舐めてしまった理由を問いただしてみると、のど飴と間違って舐めてしまった、ということらしい。
彼女はお菓子の箱に色々な飴を入れておやつ代わりにしていて、その中に何故か例の飴が混ざっていたのだとか。
「だいたいわかったよ。というかあの飴、前の時に処分しなかったの?」
「したつもりだったんだけど……残ってたみたい」
「はあ……まあ、過ぎたことを言っても仕方ないか」
小さくなった原因は確認できたのだから、後は元に戻る方法を検討すべきだろう。
何より、彼女は前回と同じく、自分を頼ってきてくれたのだから――その期待には応えたい。
(僕としても、戻ってもらわないと困るしね)
前回は幼女すぎて現実味のなさの方が先立っていたけれど、今回は微妙に現実感がある気がしてならない。
犯罪が成立しやすそうだ、という意味で。
「それで、飴を舐めたのはいつ頃?」
「昨日の夜。……起きたらこうなってて。ちょうど講義がない日だったから、とりあえず一日部屋で大人しくしてたんだけど……」
「時間が経っても戻らなかったってことか……」
仕事が終わった頃に月子からメールが入ってきて、今から行ってもいいかなとあった。
折しも今日は金曜日で、歓迎するよと返信して待っていたら、やってきたのは小学生くらいの女の子だったわけで――こちらの心情も察していただけると思う。
「会計君に連絡は?」
「……まだしてなくて」
実のところ、前回小さくなった時に何故元に戻れたのか、その理由はわからずじまいだった。
特に何かをしたわけでもなく飴を舐めた翌朝に戻っていたので、ひとまず「時間経過で戻る」という結論に落ち着いたのだけれど。
それがあったから、月子は今日一日、部屋でじっと戻るのを待っていたに違いない。
また、前回の騒動の際、会計君は方々からこっぴどく叱られたと聞いている。
そのことは彼女も知っているだろうし、何より今回は彼女自身の不注意から再発した事態なわけで――これ以上会計君に迷惑はかけられない、と連絡を控えていたところもあるんじゃないだろうか。
(まあ、今回ばかりは仕方がないか……)
ただ、飴を舐めてから丸一日が経とうとしている。
明日以降も戻らないようであれば、さすがに解毒用の飴を作ってもらうよう頼む必要があるだろう。
「まあ、とりあえず今夜はもう遅いし、休んで様子を見ようか」
「うん……」
こくり、と頷いた月子は、そのまま下を向いてしまった。その頭をぽんぽん、と叩いてやる。
「郁……」
ゆっくりと顔が上がり、不安そうな瞳に見つめられる。
どうにかしてあげたい。
何か、彼女の不安を少しでも取り除けるような方法はないだろうか――そう考えて、一つ思い当たることがあった。
「そうだ。ねえ、一つ試してみようか」
「え?」
その場にしゃがんで目の位置を合わせ、頭に置いていた手を頬へと添える。
そうして、ゆっくりと顔を近づけていった。
「えっ、な、何っ……」
途端に焦り出す月子ににっこりと微笑んで、その思いつきを説明する。
「キスしたら直るのかもしれない、って思って」
「ええ!?」
「前の時はキスして、次の日には戻ってたよね。むしろ、キスしないと戻らないのかもしれないよ」
「え、わっだ……だっ、だめっ」
「どうして」
「ど、どうしてって、えと……」
「ほら」
もごもごと言葉を濁している隙を突いて、唇を奪った――つもり、だったのだけれど。
「……月子?」
自分がキスしたのは、口をがっちり押さえた彼女の手の甲だった。
「だ、だって……」
月子は口に両手をあてたまま、申し訳なさそうに目を逸らす。
彼女の不安を取り除いてあげたい。
そう思ったはずなのに、これじゃ余計に不安を煽っただけじゃないのか――少しだけ、反省した。
「まあ、そんなに嫌ならいいけどね」
だから、あっさりと引き下がる。
(それによくよく考えてみると、こんな小さな子に無理矢理キスを迫るって……普通に犯罪っぽいし)
「……あ、あのっ、郁っ」
寝る準備でもしようと立ち上がったこちらの袖を、月子が掴んでいる。
その顔は例によって真っ赤で――どこか必死さを孕んでいた。
「い、嫌ってわけじゃ、なくて……その、恥ずかしいだけで……」
「わかってるよ」
袖を掴む小さな手をそっと外して、優しく握る。
前回よりは成長した身体とはいえ、それはやはり小さかった。
「さ、今夜はもう休もう。添い寝してあげるよ、この間と同じみたいに」
「……っ」
ぼん、と月子の顔が一気に赤味を増す。
大方「この間」という単語に反応してのことなんだろうけれど。
(一体何を思い出したのかな。……まあ、大体想像はつくけど)
「あれ、どうかしたの? 顔が赤いよ」
「なっ、なんでもない!」
「安心していいよ、さすがに僕も犯罪みたいな真似はするつもりないから」
「!!」
ぽかぽかと叩いてくる月子の手をかわしながら、二人で寝室へと向かう。
その日は早めに眠って――その翌朝。
月子の身体は元に戻っていなかった。
体調などにも変化はなく、ひとまず会計君へメールで連絡すると、今回はすぐに返事が返ってきた。
すぐに解毒用の飴を作って送る、という内容に、月子も心底ほっとしたらしい。その表情からは昨晩のような不安は払拭されていた。
とはいえ、どんなに急いで送ってもらっても、到着するのは月曜以降になるだろう。
「月曜はゼミがあるけど、体調を崩したってことにしてお休みにします。……あの、郁」
「何?」
表情を曇らせた月子が、躊躇いがちに口を開いた。
「それまで、ここに居させてもらっても、いい……? あっ、もちろん家事とか、そういうのはやるから」
「そんなの、しなくていいよ」
月子の頭に手を置いて軽く撫で、昨日と同じくしゃがんで目線を合わせてから、後を続ける。
「好きなだけいてもらって構わないよ。もちろん、元に戻った後でもね」
「っそ、それは……え、遠慮しておきます」
「そう? それは残念」
――そんなわけで、月曜までの二日間、小さくなった彼女との生活が始まった。
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meganebuは明日のニッチ産業を支え続けて参ります。