お姫様はメイド様! アフター
A5/36P/300円
郁月執事メイド小説本(18禁)
成人向けの内容を含むため、未成年の方への販売・閲覧は禁止いたします。
実月個人誌。
メガネと月子たんが執事とメイドでコスプレしていちゃこらしてるだけの話。
執事メイド合同誌「MM」に書いた話の続き だったりしますが、話的に大した繋がりはないので未読でも問題ありません。
素敵ゲストに、表紙も描いてくれた仲村さんと緑茶庵の野原亜利様をお迎えしています。
本文サンプルは続きから。
◆「お姫様はメイド様! アフター」本文サンプル
長めのキスから彼女を解放すると、真っ赤な顔に潤んだ瞳が恨めしそうに見上げてきた。
けれど、再び顔を近付けていくとぎゅっと両目を瞑ってしまう。
……本当、いつまで月子はお子様のままなのかな。
(まあ、月子のペースに合わせてきたのは事実だけど、でもキスくらいは慣れてもいいんじゃない?)
本物の恋人同士になってから幾度となく繰り返してきたキスを、唇にすると見せかけて頬へと落とす。
「!」
お子様にはぴったりなそれに、月子が薄く目を開けた。
すかさずその瞳を覗き込んで、からかうように告げてやる。
「そんなに赤くなることないでしょ。まさか、キスだけで終わりなんて思ってないよね」
何も言わず目を伏せたのは、思っていない、という意思表示だろうか。
鈍感な月子にしてはよくできました、……と褒めてあげたいところだけど、残念ながらそうはいかない。
「ちなみに、場所は移動しないから」
「……え。い、郁。あの……こ、ここで?」
「そう、ここで。さっきも言ったでしょ。月子が悪いんだよ? あんまり可愛いことを言うから」
流れるような動作で、唇同士の距離を詰めていく。
そして――びくり、と首を竦めた月子の、きつく閉じられた瞼へと唇を落とした。
「……!」
二度もフェイントに騙された月子の顔はますます赤くなった。
吹き出しそうになるのを堪えて、どうにか含み笑いに留めることに成功する。でも、思いっきり睨まれた。
「ほら、こっち」
こういう時は、機嫌を損ねる前にさっさと話を進めてしまうに限る。
月子の手を引き、近くのソファまで誘導する。
そこに座ってと指示すると、微妙に難色を示しつつも、渋々といった態で腰を下ろしてくれた。
こちらも膝を折り、座った彼女と目の位置を合わせる。
「よくできました。……って、緊張しすぎ」
行儀良く――がちがちに――膝の上で組まれた手をほぐして、両手をそれぞれ握ってやる。
「だ、だって……」
「なら、もう一度やろうか。ごっこ遊び」
「え?」
「今度は月子が好きな方でいいよ。僕に奉仕するのと、僕に奉仕されるの、どっちがいい?」
(……あれ?)
何の反応もない月子をよく見ると、普通に固まってしまっていた。
どうやら思考ごとフリーズしてしまったらしい。
(そんなに難しいことを言った覚えはないんだけどな。だいたい、ついさっきまでやってたことなんだし。……まったく、これだからお子様は)
隠す気も失せた苦笑を浮かべて、握ったままの手を軽く握り直してやる。何度か繰り返すことで、月子の意識を引き戻すことができた。
「……っ」
目の焦点が合い始めたのを確認して、にっこり笑ってもう一度。
「じゃあ、わかりやすく言い換えようか。僕に命令されたい? それとも、命令したい?」
「っな、何言ってっ……郁っ」
反射的にだろう、月子が手を後ろに退こうとする。
でももちろん、そんなことは許さない。
強めに握ることでその動きを封じると、さらに畳み掛けていく。
「ほら、選んで。どっちがいい? 僕はどっちでもいいんだけど」
「郁、ち、ちょっと、あの」
「そんな難しく考えないでよ。僕の好きにされるのと、僕に好きなようにさせるのと、どっちがいいかって聞いてるだけなんだから」
「っど、どっちもよくないって言ったら!?」
とうとう月子が大声をあげたけれど、冷静に受け流す以外にどうしようもない。
「それは却下。……仕方ないな、月子が決められないなら僕が決めるけど、それでもいい?」
「ぇ、え?」
折っていた膝を伸ばし、ゆっくりと顔を近付けていく。
そうして、展開についていけてないお子様へ分かりやすく囁いた。
「今からキスするまでに決めなかったら、僕が決めるよ。……ほら、いいの?」
「ちょっ、待っ……郁っ」
唇をガードしようと持ち上がる両手は、さっきから握ったままの手でもってメイドさんの太股へ押さえ付けておく。
あと、ソファに座った状態というのは、どんなに首を捻ったとしても、その移動範囲には限度があるわけで。
「どっち?」
残り数センチまで追い詰めて、後が無いことを宣告してから数秒の後。
観念した月子が選んだのは――
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以下延々とメガネが自由奔放になんかこうなんかしたりされたりやらせたりしているそれだけの話ですサーセン。