meganebu

Offline

MMM_hyousi.jpg

mmm

A5/28P/300円
六本木×あかり寄りなオールキャラギャグ合同誌

仲村:漫画 / 実月:小説 でお送りします。
素敵ゲストにT-NORTHの 松本ミトヒ。様をお迎えしています(ありがとうございました!)

「MMM」本文サンプルは続きから。

 

 

☆仲村(漫画)

☆実月(小説)



「夜の六本木さん?」
「そう!」
 あかりは俺の背を撫でる手を止めると、汐留に告げられた単語を復唱した。
 それから人差し指を唇にあてて、何やら考え込んでいる。
 ――あ、俺はとくがわ。あかりの膝上に座ってやっている、ミラクル☆トレインに住み着いたマメシバだ。
 あかりってのは少し前までここでガイドをやっていた小学生女子で、今は本人曰くちゃんとしたOLらしい。
 何を言ってるかわからねーと思うが、俺にもよくわからん。
 ミラクル☆トレインが何なのかっつーと、淑女の悩みを解決する不思議な電車、らしい。まあぶっちゃけた話、運悪く乗り込んじまった女はその悩みが解決す るまで降りられないっつー、タチの悪いトラップ電車だ。
 あかりはその運の悪い乗客の一人だった。
 色々あって悩みが解決し、一度ミラクル☆トレインを降りたはずなんだが、これまた色々あってガイドをやってたせいか何なのか、今度は悩みもないのにミラ クル☆トレインに乗り込んで来れるようになっちまってた。
 車掌は特例とか何とか言ってた気がするが、まあ俺にはどうでもいい。成長したあかりの太股はそこそこ居心地がいいからな。
 と、あかりの指先が俺の耳元をくすぐった。考え事は終わったらしい……が不発に終わったのか、きょとんと首を傾げている。
「夜の、って言われても……別に、夜間の運行中でも六本木さんは六本木さんでしたけど」
「そうなんだけどさ。ほら、夜の六本木の街って昼間とは違うでしょ?」
「ああ、そうですね。繁華街って感じがしますよね」
「六本木さんが、そういう夜の街の雰囲気っぽくなるらしいんだ。なんかね、新宿さんと張り合ってるとかどうとか」
 って、何だそりゃ。
 あの影が薄くて人畜無害そうな男が夜の街の雰囲気?まるで想像つかねえ。
 へえーとか相槌打ってるあかりも想像ついてないだろこれ。いまいちピンとこないって顔してるし。
「で、そうなった時の六本木さんは、どうもミラクル☆トレインの中じゃなくて、駅の外に出て行くみたいなんだよね」
「そうなんですか。じゃあやっぱり、私は見たことないですね。ずっとミラクル☆トレインの中にいましたし」
「うん、僕も。自分の駅とかなら出歩いたりしてるけど、夜の街とかには行ったことないし。だから、一度見てみたいなーって思って」
 そこでガラリと音がした。
 首を向けると、連結部の扉を開けて他の駅連中が入ってくるところだった。
 新宿に両国、月島。都庁がいないな。
 ちなみに話題の主の六本木は降車する乗客を見送りに行ってるみたいだな。多分、あかりと入れ違いに出て行った感じだ。
「お、あかり。来てたのか」
 お邪魔してます、とあかりは頭を下げた。
 汐留はと言うと、ぱっと顔を輝かせて席を立ち、ばたばたと奴らに駆け寄っていった。つーか、何でこいつは男相手でもこんなに嬉しそうなんだよ。
「ねえねえ新宿さん! 新宿さんは見たことあるんだよね!」
「あ? 何を」
「夜の六本木さん!」
 全力ではしゃいでる子供みたいな叫び声と対称的に、何故か奴らの空気が微妙に固まった。



----------------

基本的にギャグですが気持ちは六あかっぽいはず。
そして眼鏡六本木さんは外せない、それが俺達のジャスティス!